今回はチーズの栄養と効能についてご紹介します。
チーズの歴史はとても古く、紀元前にはすでに作られていました。
その種類は1000種以上と言われています。
チーズは牛乳などのミルクを凝縮して作ります。
製造の際にはその栄養素も凝縮されるため、ハードタイプのチーズでは、牛乳の約10倍もの栄養素が凝縮されるように、とても栄養素の高い食品です。
そんな優秀な健康食品であるチーズの栄養と効能についてお伝えしていきます。
① チーズの種類
チーズは原料、加工方法で分類されますが、種類は多くあり大きく分類すると、ナチュラルチーズとプロセスチーズに分類されます。
(1)ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズは固さによって分類され、軟質チーズ、半硬質、硬質、に分けられています。
●軟質チーズ
【フレッシュチーズ】
原料乳に乳酸菌や凝乳酵素を加えて固めて、水分を軽く取り除いただけで熟成をさせていません。
脂肪分の含有量により、さっぱりしたものから、クリーミーなものまであります。
生鮮食品扱いで賞味期間があります。モッツァレラチーズ、カッテージチーズなどがあります。
【白カビチーズ】
表面に白カビをつけ熟成させたチーズです。
とても種類が多く、たんぱく質が白カビにより分解され、熟成が進むとコクのある味になります。
製造後3~4週間が食べごろで、それ以上古くなると,へこみが目立ちます。
カマンベール、ブリードモー、クロミエ、ヌフシャテル、等があります。
【ウォッシュチーズ】
熟成の時に、ワイン、ブランデーなどの液体を吹き付けて作ります。
香りが強いチーズが多いのですが、コクがあり、多くのチーズは外皮を食べません。
ルブロション、マンステール、ポン レヴェックなどがあります。
●半硬質チーズ
凝乳をプレスし、水分量を減らして作るチーズで、熟成は短くて約半年、長くて1年かかります。
保存性が良く、味の変化もしにくいのが特徴です。
マイルドで食べやすくチーズを食べなれない人には最適なチーズです。
ゴーダチーズ、カンタル、などがあります。
【ブルーチーズ】
アオカビで熟成をさせたチーズで内部にカビ浸食させて作ります。
ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトン等があります。
●硬質チーズ
凝乳を、さらに強くプレスして作り、サイズの大きいチーズが多く、熟成期間も6か月~1年、長くて2~3年熟成させます。
日もちも良く、コクのあるチーズです。
チェダーチーズ、エダムチーズ、エメンタール、パルミジャーノ・レッジャーノ、ミモレット、コンテ等があります。
(2)プロセスチーズ
プロセスチーズは数種のナチュラルチーズを、加熱して混ぜて作られるため、保存性は高くなります。
ナチュラルチーズに比べると、乳酸菌や酵素は減り、発酵チーズの風味が減りますがカルシウム、ビタミンは、他のチーズと同様に豊富です。
長方形や、三角のチーズ、スライスチーズ、スプレッドチーズ、スモークチーズがあります。
●シェーブルチーズ
山羊のミルクで作られるチーズで、強い酸味と、香りがあり、癖のあるチーズです。
フレッシュチーズから熟成させたものまで色々な種類があります。
サントモール、シャビシュー、クロタン、フェタチーズなどがあります。
② チーズの栄養
100gあたりの栄養価
(1)ナチュラルチーズ/軟質チーズ/カテージ
エネルギー | 105kcal |
---|---|
水分 | 79.0g |
たんぱく質 | 13.3g |
脂質 | 4.5g |
炭水化物 | 1.9g |
灰分 | 1.3g |
(2)ナチュラルチーズ/半硬質チーズ/ゴーダ
エネルギー | 380 kcal |
---|---|
水分 | 40.0g |
たんぱく質 | 25.8g |
脂質 | 29.0g |
炭水化物 | 1.4g |
灰分 | 3.8g |
(3)ナチュラルチーズ/硬質チーズ/エダム
エネルギー | 356kcal |
---|---|
水分 | 41.0g |
たんぱく質 | 28.9g |
脂質 | 25.0g |
炭水化物 | 1.4g |
灰分 | 3.7g |
(4)プロセスチーズ
エネルギー | 339kcal |
---|---|
水分 | 45.0g |
たんぱく質 | 22.7g |
脂質 | 26.0g |
炭水化物 | 1.3g |
灰分 | 5.0g |
③ チーズの注目すべき栄養素と効能
その1:たんぱく質
チーズは良質のたんぱく質を多く含んでいます。
100gあたりのたんぱく質は、牛肉を上回っているものもあります。
また、人間の必須アミノ酸は体内で生成されないため、食品からとる必要がありますが、チーズには必須アミノ酸も豊富に含まれています。
さらに熟成の段階で、アミノ酸に分解されており、消化吸収もしやすい形になっています。
その2:カルシウム
チーズにはミネラルがバランスよく含まれていますが、特に注目したいのがカルシウムです。
チーズ100g中には、一日に摂取する必要量のカルシウムが含まれています。
カルシウムは、骨や歯を作り、骨粗鬆症の予防、血液が固まるのを助ける作用、ストレスを和らげる、筋肉の収縮作用があります。
その3:ビタミン類
チーズには、ビタミンB2が多く含まれ、ビタミンB2は脂質と糖の代謝を高め、生活習慣病の予防、改善効果があります。
さらに、ビタミンB2は皮膚や粘膜を健康に保ち、成長を促進してくれる効果もあります。
さらに、他のビタミンとして、チーズにはビタミンAが多く含まれています。
ビタミンAは、皮膚や軟膜を健康に保ち、免疫力を高め、抗酸化作用から動脈硬化を予防し、がんの予防抑制作用があります。
また、視機能を改善し、夜盲症の予防をしてくれる効果が期待できます。
その4:乳酸菌
チーズは乳酸菌を含み、乳酸菌は腸内環境を整え、美肌効果があります。
乳酸菌は腸内でビタミンB群を合成し、ビタミンB12は赤血球を作るのに必要な栄養素で、貧血の防止をします。
乳酸菌は、コレステロール値を下げ、免疫力を高める効果もあります。
その5:脂質
チーズの脂質は、速やかにエネルギーに代わる中鎖脂肪酸を多く含むために、脂肪の燃焼を助けてくれます。
チーズに含まれる脂質の量は、チーズの固さや、使用されるミルクの乳脂肪の量によって様々で、
カッテージチーズは脱脂乳から作られていたりと、脂肪分が0パーセントのチーズもあり、最近は白カビチーズでも脂肪分の低いものなども作られています。
また、チーズにはビタミンB2が脂肪の代謝を助けるため、比較的太りにくい脂肪なのですが、高カロリーではあるためダイエット中の場合は脂肪分の低いチーズを選ぶようにしましょう。
まとめ
チーズは大きくナチュラルチーズ、とプロセスチーズに分けられますが、多くの種類があります。
ナチュラルチーズはその硬さにより、熟成の期間も異なります。
チーズには良質の消化されやすいたんぱく質、カルシウム、ビタミン、脂質が含まれ、乳酸菌も含まれます。
栄養成分も、牛乳が凝縮され、約10倍にもなっているチーズもあります。