頬が赤いと、目立って恥ずかしかったり、子どもっぽく見られたり、気分が憂うつになりますよね。
「熱あるの?」「顔赤いよ」と言われる度に、人の視線が刺さってつらくなります。
そんな頬の赤みは、対策してもなかなか効果が見られず、途方に暮れている人も多いかもしれません。でも、正しい対策を取れば充分に改善が見込めるのです。
この記事で頬の赤みの原因と対策を徹底的に把握して、今度こそ頬の赤みから卒業しましょう。
頬の赤みの原因とは?
頬が赤くなる原因は多数考えられます。まずは、どんなケースがあるのか見ていきましょう。
赤ジミ(赤いシミ)
「シミ」といえば、紫外線を浴びると生成されるメラニン色素によるシミが知られていますが、実は、紫外線を浴びなくてもできるシミがあります。
それが「赤ジミ」で、手で触ったりこすったりする物理的な摩擦や刺激で発生するシミのことです。
うっすらと赤みを帯びた斑点のような形をし、刺激を受けやすい頬骨周辺にできるのが特徴です。
ニキビ痕(跡)
ニキビ痕による赤みは、ニキビによる肌ダメージが治癒せずに残っている状態です。
ニキビの炎症がまだ残っているために赤くなっており、ニキビ痕としては初期段階で、この時期を過ぎると徐々に赤みが茶色に変色し、色素沈着していきます。
色素沈着する前に消すよう手を打つことが重要です。
敏感肌
敏感肌は、「肌の層が薄くなっている」状態のことで、肌の層が薄くなっていると、その分ちょっとした刺激にも肌が炎症を起こしやすくなります。
さらに肌が薄い分、肌の内側にある毛細血管が透けて見えやすく、より一層赤みが強く見えてしまいます。
極度の乾燥肌
乾燥肌が進行した場合にも、赤みが現れることがあります。
例えば、乾燥して手荒れがひどくなると、指が赤みを帯びて「あかぎれ」ができ、皮膚がぱっくり割れますが、これに近いことが極度の乾燥肌にも起きているのです。
紫外線アレルギー
紫外線でダメージを受けた肌は荒れやすくなりますが、それとは別に「紫外線アレルギー」で肌が赤みを帯びる場合があります。
紫外線に当たった後に症状が出て、赤みの他にプツプツとした湿疹やかゆみがある場合は、紫外線アレルギーを疑ってください。
化粧品による刺激
ニキビ対策などでアルコールや脱脂力の強い化粧品を使い過ぎたり、肌に合わない化粧品を使い続けたりすると、化粧品成分による刺激で赤みが出やすい肌になってしまいます。
化粧品を使った直後に赤みが強まったり、ヒリヒリ感を伴ったりする場合は、化粧品に原因がある可能性が高いでしょう。
チークによる色素沈着
長年チークを塗っている場所が赤みを帯びているのなら、チークによる色素沈着を起こしている可能性があります。
特に「タール系色素」という合成着色料は、シミを作る危険性があると言われています。
化粧品の全成分表示では、「赤104、橙201」等と記載されているのがタール系色素にあたります。
毛細血管拡張症
肌の内側には、無数の毛細血管が張り巡らされています。この毛細血管が拡張して血液が滞り肌が赤くなる症状が「毛細血管拡張症」です。
赤ら顔の原因として特に多い症状でもあります。
毛細血管拡張症の原因は、気温の急激な変化、血行不良、自律神経の乱れなどとされ、緊張したときに急にカーッと頬が赤くなるのも、毛細血管拡張症の一種です。
毛細血管拡張症が原因の赤ら顔については、下記の記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。
しもやけ
しもやけと言うと手足の末端にできるイメージですが、深刻な冷え性や低体温症の人の場合、顔にもできることがあります。
しもやけができると、頬全体がリンゴのように真っ赤になり、ジンジンと痛んだりかゆみが出たりするのが特徴です。
アトピー
赤みの他に湿疹やかゆみがある場合、アトピー性皮膚炎の可能性があります。
アトピー性皮膚炎は、大人になってから発症する場合、全身ではなく首から上に症状が集中しやすいのが特徴です。
かゆみを伴い、かくとジュクジュクと浸出液(リンパ液)が出る場合には、アトピー性皮膚炎の可能性が高いでしょう。
病気による症状
その他に、病気によって頬が赤くなる場合があります。
りんご病(伝染性紅斑)
りんご病は子どもの病気と思われがちですが、大人も感染します。
最初は1週間ほど風邪のような発熱やだるさが続き、さらに2週間ほど経つと頬に赤い発疹ができ始め、まるでリンゴのように頬が赤くなります。
クッシング症候群
副腎皮質で作られるホルモン「コルチゾール」が過剰になる疾患で、頬に赤みが差し、顔つきが丸みを帯びてくるのが特徴です。
多血症(赤血球増多症)貧血とは逆に、赤血球が多くなる病気で、頬の赤みとともに目の充血や歯茎からの出血が起きやすいのが特徴です。
全身性エリテマトーデス(SLE)
膠原病の一種で、鼻を越えて両頬にまたがる蝶のような形をした赤みが特徴です。この赤みは、蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)と呼ばれています。
頬の赤みの対策
さまざまな頬の赤みの原因を把握したところで、次は具体的な対策を見ていきましょう。
肌をこすらない
肌をこすることは、赤ジミの原因になるばかりでなく、肌の層を薄くしてさまざまな頬の赤みの原因となります。
頬の赤みを改善するためには「とにかく肌をこすらない」ことを徹底しましょう。
ピーリング剤やスクラブ、拭き取り化粧水は、肌をこすってしまうので使わないようにしてください。
また、洗顔時は、肌に刺激を与えないよう細心の注意を払いましょう。洗顔料はしっかりと泡立てて、泡を転がすようにしてやさしく洗います。
洗い流した後の水分を拭き取るタオルにも気を配りましょう。できるだけ柔らかいタオルを準備し、決してゴシゴシこすらずに、そっと押さえるようにして水分をタオルへ吸収させます。
ニキビを正しくケアする
ニキビ痕を残さないために重要なのは「ニキビを長引かせない」ことです。ニキビを潰したり、刺激の強い化粧品を塗ったりすることは逆効果です。
ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌作用がある洗顔料を使いつつ、スキンケアはできるだけシンプルに徹しましょう。
なかなかニキビが治らないときには、早めに皮膚科を受診するのも良い方法です。
皮膚科では、外用薬・内服薬を使って治療が行われるため、急いでニキビを治すには最も効果的なケアが受けれます。
また、そもそもニキビができない生活も心掛けることも大切です。
特にニキビと食生活は密接に結びついています。チョコレートや動物性脂肪(肉類、チーズ、バター)など、ニキビの引き金となりやすい食べ物は、極力控えるようにしましょう。
セラミドで敏感肌を守る
肌が薄くなり敏感肌が深刻化している場合は、「セラミド」入りの化粧品を選びましょう。
セラミドは肌を守るバリア機能の必須成分で、肌の層の一番外側に存在し、外部から入ってくるダメージを跳ね返しながら、肌の中のうるおいを逃がさないように働いています。
敏感肌は、このセラミドが不足している状態です。セラミドをたっぷり補給して、敏感肌の状態から抜け出しましょう。
乾燥肌を放置しない
乾燥が気になり始めたら、そのまま放置せず、すぐ充分な保湿ケアを行うようにしてください。
さまざまな化粧品が販売されていますが、安くて確実に保湿ケアができるのは「ワセリン」です。皮膚科でも、乾燥肌や敏感肌のケアにはワセリンが処方されることが多いほどです。
ワセリンは、薬局で数百円で購入することができます。クリーム代わりに乾燥の気になる場所に薄く伸ばして使ってください。
年間通して紫外線カット
紫外線アレルギーの場合はもちろん、そうでない場合にも紫外線は肌にダメージを与えます。年間を通して、日焼け止めをしっかり塗りましょう。
敏感肌・乾燥肌の場合は、最初にワセリンを薄付けして肌を保護した上に日焼け止めを塗れば、肌への負担も軽減できます。
日焼け止めのほかにも、帽子や日傘による紫外線カットはとても有効です。
自分の肌に合う化粧品を選ぶ
化粧品には、たくさんの成分が含まれており、ある人にとっては全く刺激にならなくても、ある人にとっては強い刺激となる場合があります。
そのため「低刺激」「肌にやさしい」等の広告をうのみにするのではなく、「自分の肌にとってやさしい化粧品」を選ぶことが大切です。
化粧品を購入する前には、自分の肌で確かめてみるために、試供品で「パッチテスト」を行いましょう。
パッチテストの方法
防水タイプのばんそうこうのガーゼ部分に、テストを行いたい化粧品を塗布します。
二の腕の内側に貼ります。
48時間経過したらばんそうこうをはがし、赤みやかゆみなどの異常が起きていないかチェックします。異常がなければ、その化粧品を使用して問題ないということになります。
肌に直接チークを塗らない
素肌の上に直接チークを塗ると、色素沈着しやすくなります。チークを塗るときには、日焼け止めや化粧下地、ファンデーションを塗った上から塗りましょう。
乾燥肌のケアでご紹介したワセリンを、チークの下地として頬に塗っておくのもおすすめです。
また、チークを購入する際には、なるべく「タール系色素不使用」の表示があるものを選びましょう。
肌の血行を促進する
毛細血管拡張症の原因である血行不良は、血流を改善することで対処できます。
ビタミンE
血流を改善する成分としては「ビタミンE」がおすすめです。
ビタミンE配合の化粧品を使用したり、食べ物から摂取するのも良いでしょう。アボカドやアーモンドに豊富に含まれています。
マッサージ
マッサージは血流改善にとても効果的ですが、顔へのマッサージは肌をこすることになるので避けましょう。
代わりに、顔への血行が良くなるリンパに沿ってマッサージします。
親指以外の指4本を左右のこめかみに当て、軽く押すようにしながら耳の横→耳の下→首の横→肩→鎖骨のくぼみまで、下に向かってマッサージしていきます。
鎖骨は老廃物の出口のため、ここが詰まっていると顔への血流も悪くなります。
鎖骨のくぼみまで辿り着いたら、くぼみに指をかけるようにして、ギューッと押し込みましょう。これで顔への血行も良くなっていきます。
半身浴
冷え性の場合は、毎日半身浴を行いましょう。38度~40度の湯温で30分程度が効果的です。
半身浴には自律神経のバランスを整える効果があるため、緊張感やストレスで赤みが強くなっている場合にも有効です。
毛細血管拡張症が原因の赤ら顔の対策については、下記の記事も参考になります。
冬はマスク・マフラーを使う
屋内外の気温差が激しくなると、頬の赤みが悪化します。
冬はできるだけ頬を外気にさらさないように、マスクやマフラーを使って隠すようにしましょう。
赤みを緩和する食べ物
鉄
毛細血管の血流を良くし滞りを解消するために、「鉄」を積極的に摂ってください。
鉄はレバーや小松菜、プルーンに含まれています。
ビタミンC
ニキビによる炎症には「ビタミンC」が効果的です。ビタミンCには抗炎症作用があります。
同時に皮脂分泌を抑制する働きもあるため、ニキビを抑えやすくなります。ビタミンCはキウイやリンゴなどの果物に豊富に含まれています。
亜鉛
肌ダメージを受けて敏感になっているときには「亜鉛」を摂りましょう。
肌を再生させるための基盤となる成分で、亜鉛が不足していると肌細胞が未熟になります。亜鉛はカキや玄米に含まれています。
ビタミンA
乾燥がひどいときには「ビタミンA」が有効です。肌や粘膜のうるおいを維持したり、皮膚組織を修復・再生したりする働きがあります。
ビタミンAはブロッコリーやニンジン、うなぎに含まれています。
アレルギー・アトピー・病気は早期治療を
もし、自分の頬の赤みはアレルギー、アトピー、病気の可能性があると感じたら、できるだけ早く受診するようにしましょう。
受診するのは、まずは皮膚科で問題ありません。たかが赤み……と放置するうちに、重大な病気が進行してしまう場合があります。
逆に、早く診断を受けて治療を始めれば、すぐ良くなる可能性もあるのです。
赤ら顔ケア用の化粧水を使ってみる
赤ら顔専用の化粧水があるのをご存知ですか?
白漢しろ彩は、「熱くもないのに顔が赤い…」「顔赤いよ?と言われる」そんな悩みから生まれた化粧水です。
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まとめ
頬の赤みは実に多種多様な原因が考えられます。
今までに試した対策法では効果が見られなかった人も、今回ご紹介した対策を一つずつ、確実に対策を実行してみてください。
徐々に赤みが減ったり、進行をくい止めたり、今より改善していく実感が持てるはずです。さっそく今日から、始めてみましょう。